高嶺の花すぎて届かない恋|新古今和歌集・葛城山の白雲に想いを重ねて
koiwaka
恋愛和歌集
宵々に 君をあはれと 思ひつつ
人にはいはで 音をのみぞ泣く(新古今1234・藤原実頼)
夜になるたび、
あなたのことを思い出してしまう。誰にも言えないまま、
ただ胸が苦しくなって、
声を抑えきれず、
泣いてしまう夜ばかり。この想いは、
誰にも知られないままでいい。
泣いているのが、
私だけなら。
作者は藤原実頼。
摂政・関白を務めた貴族。
身分も立場もある大人の男性。
それでも、誰にも言えない恋を抱えていた。
表では理性、夜だけ感情が本音を吐くんだよな。
音(声):
感情の限界
のみ:
それ以外、何もできない
人には言わで:
孤立の確定
派手な比喩がない分、
現代人にもそのまま刺さる構造。
この歌が刺さる理由はこれ。
昼は平気なふりができる。
でも夜になると、全部崩れる。
誰にも言えないから、感情の逃げ場がない。
だから人は、
泣くことでしか恋を処理できなくなる。
言えない恋は、夜にだけ本当の顔を見せる。